奥州パッシブハウス

花澤淳

年間暖房負荷:26.69kWh/m²a

北東北は、北海道ほど寒くないために住環境の快適化が遅れ、おそらく日本で最も我慢強い人たちが暮らしている地域である。断熱・気密が低い北東北の住宅では暖房エネルギーの割合が5割を超えるため、住宅の省エネ化と快適化を両立させるために、工藤建設㈱が自然エネルギーを多く取り入れた「奥州パッシブハウス」を建築した。取り入れた自然エネルギー利用技術は、太陽光発電とマイクロ風力発電、太陽熱給湯と薪ボイラー給湯、薪ストーブ暖房、地中熱利用熱交換換気、雨水と地下水の利用など、多岐にわたる。これらのソフト(設備等)部分が占める割合が大きくなれば、住宅というハードの部分が一つの建築として成り立たなければ、この住宅の魅力が失われ、ソフト部分が持つ能力もその先進性が活かされていかないのではと考え、パッシブデザインとして新しい技術や手法だけでなく、昔から伝わる軒の出を深くすることや、通風の工夫などを考え環境や地域に対しての返答とした。デザインは、奇をてらったデザインとしてではなく、これからの町並みをつくっていくデザインとして普遍的なものを狙い、奥州の景色の中で美しく変わっていってほしいといった想いで設計した。

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設計者:菊地建(金ケ崎建築設計舎) 施工者:有限会社鈴木建築 建設地:岩手県奥州市水沢区 竣工年月:2013年6月 新築/改修:新築 延床面積:170.47 工法・規模:木軸在来工法 2階建 C値(実測):0.1 Q値:0.7

【  断熱仕様  】 屋根:(天井)セルロースファイバー t=500mm 外壁:セルロースファイバー t=300mm 基礎下:(床)セルロースファイバー t=400mm+(土間床)真空断熱パネル 基礎立上り:押し出し法ポリスチレンフォーム t=100mm 窓:高性能木製サッシ U値:0.99w/㎡k(トリプルガラス) 玄関ドア:木製断熱玄関ドア U値:0.85w/㎡k 【  設備仕様  】 暖房:薪ストーブ 冷房:ルームエアコン 給湯:潜熱回収型ガス給湯器+太陽熱温水パネル6㎡+薪ボイラー 換気:第1種換気熱交換型換気装置(Paul社製Foucus200) 照明器具:LED+蛍光灯(玄関ポーチ、浴室) 調理:ガスコンロ